勇気を持って、原点回帰
- Maki Ishimine
- 2020年2月7日
- 読了時間: 2分
持ち歩けないし、ライブの場所は選ぶし、バラッド中心で音楽活動していた時には、その洗練されたサウンドからも「これはパートナーではない」と決めつけていたピアノ。オリジナルを書き出してから変わって来た。そして今、音を残す作業をしながら日々思うこと、オリジナルはもちろんだけれど、バラッドもピアノで勝負してもいいんじゃないか、と。
またしても彼女絡みの話だが、June Taborの歌だけでなくサウンドに惚れ込んでいる私。その要はピアノだ。正直ピアノでバラッドを歌う人は、バラッド歌いの新旧数多聴いて来たけれど、私の知る限り思い出せる限りジューンだけだ。そのピアノ弾きはHuw Warrenという人だけれど、基本的にジャズの人だが、彼の弾くピアノはジャズとクラシックの間で絶妙なポップ感を持つ独特さがあると思う。ソロ作品でもテンションぶっつけづくしのジャズジャズした音運びはあまりしないし、クラシックの要素も華美になりすぎない。どちらの要素も最高のセンスで引き算されていて、そのバランスが聴きやすさ=ポップ感を生んでいる様に思う。そもそも粗野な素材のバラッドをジューン・テイバーという一級の素材で持って、豊潤な大人のサウンドへと昇華させるその鍵は、やはりヒュー・ワーレンのピアノでこそだと思う。それはどこか、地物の風味高い食材と質の良い定番食材を掛け合わせてできる絶品の日本料理みたい。
今日はヒューさんのピアノを追っていた。最近のソロ作品を聴き、ジューンとの作品を一層注意深く聴き、やっぱりこういうピアノを弾きたいと思った。技術的に到底無理レベルかもしれないけれど、心奪われてしまったので仕方ない。近づこうと努力してみなくてはならない。もちろん弾き語りでだ。
今回のプレアルバムがひと段落したら、以前からレパートリーのバラッド"She's Like The Swallow"をヒュー・ウォーレン風のピアノアレンジでアプローチすることにチャレンジしよう。
歌とピアノ。子供の時からやって来たこと。今再び、勇気を持って自分の原点に帰ってもいいかなと思う。それでより自分らしく自由になれるなら、人真似から始めたっていい。

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