マリア・マーティンの殺害
- 石嶺 麻紀
- 2016年10月28日
- 読了時間: 2分
次のライブで挑戦するバラッド、"Murder of Maria Marten"(Shirley Collins & Albion Country Band 『 No Roses』)を改めて訳しました。
「マリア・マーティンの殺害」
「レッド・バーンで僕と会うなら、
それは命の限り確かなこと、
僕は君をイプスウィッチ・タウンへ連れて行き、
そこで君を僕の妻にするよ。」
彼は真っ直ぐ家に行き、そして銃を取ってきたのです、
つるはしと鍬も。
彼はレッド・バーンの中に入り、
そこで彼女の墓場を掘りました。
来たまえ、あんたがた、考えなしの若者たち、
俺を戒めとするがいい
俺の不幸な末路を思っておくれ
木に首を吊るされるのさ
俺の名前はウィリアム・コーダー、
あんたがたに断言する。
俺はマリア・マーティンを口説いた、
最高に美人で可愛い娘さ。
俺は彼女と結婚すると約束した、
いつか必ず。
しかし、それより、俺が決心させられたのは、
彼女の命を奪ってしまうことだった。
俺は彼女の父親の家に行った、
5月の18日にね。
そして、言ったのさ、「僕の愛しいマリア、
結婚の日を決めましょう。」
彼女の心は輝いて、なんの差支えもなく
俺に会うためにやってきたんだ。
俺はその納屋の中ですっかり彼女を殺っちまった、
それから彼女の死体を地に横たえたんだ。
恐ろしい事が終わった後、
彼女は血の海に横たわっていた。
彼女の血を流し、バラバラになった死体は、
レッド・バーンの床下に埋められた。
今、全てが静まり返っても、
彼女の魂が安らぐことはなかったのです。
彼女は母の中に現れました。
その胸で彼女を育てた母の中に。
一ヶ月以上、いいえもっと長く、
母の心は酷く憂鬱でした。
夜も昼もなく、
どんな安らぎもなかったのです。
酷くかき乱されたマリアの母の心。
彼女は三晩以上その夢を見ました。
彼女の娘が殺されて横たわっている、
レッド・バーンの床下にです。
母は父親をその納屋に行かせました。
彼は納屋の地面を掘り返しました。
そして、そこに自分の娘を見つけたのです。
土にまみれて横たわる娘を。
俺の裁判は過酷で、耐え難かった、
最も悲惨だったのは、その光景、
マリアの愛しい骨が証拠として出された時だ。
それは俺の心を鋭く突き刺した。
彼女の老いた父親が傍に立ち、
同様に彼の愛する妻も寄り添った。
そして、彼女は悲しみのあまり、髪を掻きむしった。
彼女は生きているのがやっとのようだった。
さよなら、さよなら、愛しき友たちよ、
俺のグラスはすでに空っぽさ(運も尽きた)。
次の月曜日が俺の最期さ、
俺が吊るされる日だよ。
だから、通りがかりの若者たちよ、
哀れと思って俺を見てくれよ。
あの若い娘を殺した罪で、
俺は木に吊るされたんだ。


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