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曲の形 〜起承転結の曲と揺らぎの曲〜

  • 執筆者の写真: Maki Ishimine
    Maki Ishimine
  • 2020年2月18日
  • 読了時間: 2分

メロディには物語性というものがあって、おお振りの物語を作る起承転結型と、小ぶりの物語の中で行きつ戻りつする揺らぎの曲がある。音楽用語になるが「(完全)終止形」を置く、いくつか置く、一つも置かないなどなどで、曲の構造が大きく変わる。


最近のメロディ傾向では終止形は少ないか、一つも置かれないものも多くて、そういう曲は行きつ戻りつ振り子のように揺れて、始まりも終わりもなんとなくぼんやりしている。それは80年代半ばからヒットチャートに増えだして、今も主流の「かっこいい」「洒落た」曲のパターンかもしれない。


一方、終止形を要所にしっかり置くことで、曲の展開が膨らみ大きな情感を表現するタイプの曲は、昨今あまり流行っていないように思う。感じ方だが、そういう構造の曲には少し古さが滲むのかもしれない。聴く人を染み染み泣かせる王道的なバラードにはもってこいだけれど、軽く心地よく体を揺らしながら「感じる」音楽志向にはあまり合わないんだろう。


私はと言えば、後者が好きで、「終止形」や「終止形寸止め(偽終止とかいうんだっけ?確か何個かあったなぁ)」を要所に置きながら、展開していく曲の流れがつぼなのだ。


愛すべきバラッドなんか、多くの曲は歌詞は基本短い4行でできているのだが、その1行ごとに完全終止、終止寸止めが置かれて、それが延々と長く繰り返されるので、これはある意味おお振りメロディを揺らぎメロディ化しているようなもので、構造として全く興味深いのだ。


バラッド構造の曲も大好きだけれど、ABB'ぐらいの曲で各々に終止ー偽終止ー終止みたいな曲も私的にはとても塩梅がいいと思っている。


結局私は、古いタイプの物語性があって情感に訴えるタイプのメロディが好きなんだろうな。まあ、私も十分古めかしい人間なのかもね。








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