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静かな情熱

  • Maki Ishimine
  • 2020年1月27日
  • 読了時間: 2分

たった一度、大学6年間をお世話になり過ぎた恩師に、たった一度、きちんとした言葉をもらった。

「石嶺は、静かな情熱、の人だ」と。

とても大切な言葉だ。

音楽研究指導の教授が一人もいない中で、音楽研究をしていた。恩師も美学、哲学が専門だったけれど、自由人な気風が私をいつも

導いてくれた。仕上げた論文を然るべき音大の先生に見せてくれて、よくやったと嬉しそうに評価してくださった。

静かな情熱

恩師の言葉を掲げた、自分の心の夜空を見上げる。まるで北極星のように揺るぎない光を放っている、その言葉。

音をきちんと纏めたい、要するにアルバムを作りたい。力はまだまだ足りなくても、名刺がわりになるものを作りたい。そう思って久しい。昨年秋から大きく体調を崩した。人生二度目の絶不調。殆ど二ヶ月以上ベッドの天井を見つめる日々だった。聴覚過敏で音楽を聴くことすら奪われていた。それでも自分の心の中にいつも音楽が響いていたから、いつ元気になるのか見通せないでいても、元気になってからまずすることだけは決まっていた。

「プレ」アルバムを作ろう。 体調と実力がまだまだだから、しっかりしたものを構築するのは厳しいと思った。だから少しゆるい輪郭を描いて、そこに向かって一人でやってみようと思った。それで、「プレ」。ベッドの中で希望を持って青写真を描いていた。

プレアルバムの正式な形のものは、闘病中に励まし、癒し、支えてくれた五人の人に貰ってもらおうと思っている。現在までの制作過程の中でお世話になったりした方へと、いるかわからないけれど、いたら嬉しいけれど、「聴いてみたい」と言ってくれる方がいたら、それは少しジャケットを変えて受け取ってもらいたいと思っている。なぜかと言うと、その五人の方はとにかく今回は依怙贔屓したいから。「お陰様で、ここまでできるくらい元気になりました」という感謝の思いだから。それと、その形を作るための材料は五枚分しかないので、へへへ。

静かな情熱

胸から体からじわじわと溢れそうだ。毎日、自分のペースでこつこつと組み上げていく過程が愛おしくて仕方ない。

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