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初めての「日本語バラッド」書き下ろし

  • Maki Ishimine
  • 2019年5月11日
  • 読了時間: 2分

昨年より、バラッドに加えてオリジナル曲を作って歌うようになり、このGW明け、念願だった「日本語バラッド」の一作目ができました。

「金の針」という物語歌です。

着想だけは、萩岩睦美さんの漫画「銀曜日のおとぎ話」第6巻の短編にありますが、具体的なストーリーはバラッドの様式美を意識して創作しました。

音楽として伝承されること以上に、物語がディテールの変化を享受しながらも、その根幹が時代や地域を超えることに重きがあったバラッド。それを創作するには、まずしっかりと物語を作ること!なので、必然的に曲先ではなく、詞先で取り組みました。最初に詞の体をなさない二行毎の散文を長々と書き連ねながら物語を組み立てました。それからは、そこについた表現の膨よかさを迷いなく削ぎ落とし、ジャコメッティの彫像ぐらいに骨皮筋子にしてみて、意味がぎりぎり通るところまで削ってみました。無骨なほど端的であるからこそ、聴く人の想像力を刺激するのがバラッドの醍醐味。だから、躊躇しませんでした。

そうしてできた、4行11スタンザの日本語詞。まだ言葉の音数は揃えていません。でもここでメロディーを作っていきました。ドリア旋法を用い、詞のイメージとノリを大切にして書きました。そのメロディに乗せて1スタンザを歌ってみると、なかなか調子が良く流れたので、それからは細かな旋律と言葉の微調整を繰りかえし、歌いながら完成させました。

普段の創作過程とは違う道を手探りしながら行き、完成に辿り着いて通して歌ってみた時、自分で言うのもなんですが、とても達成感がありました。やった!という喜びもありました。音楽をよく知る人に聴いてもらい、好評もいただけ、新しい表現を見つけたと言う実感が少しずつ湧いて来ました。もちろんその一方で、次の作品へのプレッシャーも芽を出します。でも、挑戦していきたいですね。挑んでいくことは大切だし、乗り越えられれば楽しみに変わります。

初めての「日本語バラッド」書き下ろしを通じて学んだことは、とても大きいものでした。皆さんに早く聴いていただきたいです。

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